オフィス道具箱

▨ 理念と、想い

 私たちの日常が、人と人との間に、お互いの在るがままを認め合うスペースの広がるようなコミュニティであることを願っています。例えば、友達との間、家族との間、職場の組織や仕事関係、学校のクラスや部活のメンバーとの間などで。そして、お互いにとって、新たな可能性が開かれるような会話が展開しているコミュニティの一員でありたいと思います。

 そして、それはできることだと信じています。私たち一人ひとりが、自分との、人との関わりに、より意識的になることによって。たとえば、こんなふうに自分に問いかけることを通して。自分は自分の在るがままを受け止められているだろうか? 相手の人の在るがままを見えなくしている、こころの動きに気がついているだろうか? お互いの真実を感じ取ろうとしているだろうか? 慈しみに根ざした、偽りのない誠実な気持ちのやり取りをしているだろうか?

 オフィス道具箱は、そんなふうな人と人との交流の足がかりとなる道具を紹介し、共有する活動を行っています。一人ひとりの関わりの在り方が、スペースを開き、コミュニティをつむいでいるのだと考えているからです。

▨ 活動内容 (道具の紹介)

WRAP®(ラップ)

 ラップは、『いい感じ』の自分はどんなふうな自分かを思い浮かべ、そんなふうな感じでいられるためにできることを、状況に合わせて書き出した行動プランを作るためのガイドです。日々の忙しさに追われて、あるいは感情の波にのまれ、または、周りからの要求や期待に押されて、自分の主体性を見失いがちなとき、ラップは主体的に生きる自由を手にする道具になるでしょう。(原案:メアリー・エレン・コープランド Wellness Recovery Action Plan)

 この過程は一人でも出来ますが、ラップを題材にしたグループに参加することで、一人では気づき得なかった学びが生まれます。ラップのグループでは、誰かが誰かに何かを教えることはせず、一人ひとりが自分の経験を自分の言葉で語ることで、お互いの経験から学びが生まれるような交流を大切にしています。

 オフィス道具箱は、ラップに関する書籍・DVD等の販売に加え、ラップのグループの進行・案内役をするファシリテーターのための研修の企画・開催に携わっています。
(ラップのより詳しい内容については、こちらのページをご参照ください)



IPS(インテンショナル・ピアサポート)

 IPSは、人と人との関係性についての『何か』です。その『何か』にあたる概念が見当たりません。コミュニケーションの技法でもないし、人間関係のモデルでもありません。あえていうならば、「こんなふうにしてみたら、どうなるだろう」という、一連の「こんなふう」の提案でしょうか。人と人との、主体と主体としての関わりを目指した提案です。

 これらのIPSの提案は、暴力による支配、また、精神の病というレッテルに伴う抑圧の経験から導きだされました。すべての人の、あらゆる類の暴力と苦しみからの解放を願う思いがIPSの中核にあります。(原案:シェリー・ミード Intentional Peer Support)

 オフィス道具箱は、IPSの学びを深めるための教材の開発、販売および研修やワークショップの企画・開催に携わっています。
(IPSのより詳しい内容については、こちらのページをご参照ください)



その他の道具

 探索中。

▨ 私たちの出版している書籍やDVDの紹介


『元気回復行動プラン WRAP(ラップ)』
著者:メアリー・エレン・コープランド
訳:久野恵理
定価:1,047円(税込)

この本について

 この本は自分のラップをつくるときのガイドになります。ラップに含まれる『元気に役立つ道具箱』と6つの行動プランについて、考え方の説明と、これまでラップを作ってきた人たちから出された実例が挙げられています。また、元気に役立つセルフヘルプの方法のいくつかが紹介されています。

購入はこちらから(※外部サイトになります)

『元気帳 げんきかいふくこうどうプラン』
原作:メアリー・エレン・コープランド
日本版制作:キッズラップ委員会
イラスト:上田孝子
定価:4,500円(税込・送料別)

この本について

 このワークブックは、幅広い年齢層(8〜10歳以上)に向けて、ラップをよりわかりやすく、簡単な文章とイラストで説明してあります。ラップを作った子どもたちから出された実例がカードになっており、そこから自分にあてはまるカードを選んだり、各自のアイデアをカードに書くことで、自分のラップができるようにデザインされています。

 この商品についてのお問い合わせや、キッズラップに関する対話をご希望の方は、こちら(※外部サイト)をご覧になるか、wrap.kids1@gmail.comまで、ご連絡ください。

『私の元気つくり。メアリー・エレン・コープランドとのワークショップ』(DVD)
パート1(52分)大切なこと
パート2(32分)元気回復行動プラン
パート3(29分)元気の道具箱
日本語版翻訳・監修:久野恵理
制作協力:株式会社サン・エム デザインオフィス
定価:7,800円(税込)

この商品について

『元気に大切な5つのこと』も含めた、メアリー・エレン・コープランドによるラップワークショップのDVDです。ラップの内容だけでなく、メアリー・エレンと参加者とのやり取りの模様もお楽しみください。参加者役の声の吹き替えは、日本のラップの仲間が行いました。
※都合により現在、販売等の直接取引は行なっておりません。ご了承ください。

▨ 私たちについて

オフィス道具箱代表の久野恵理です。

現代社会では"精神の病”と意味づけされるような経験の苦しみを、精神医療システムの構造を変えることで軽減できればという想いから、仕事に価値を見出していた時期がありました。それがWRAP(ラップ)やIPS(インテンショナルピアサポート)に出会い、足元から世界が崩れるような感覚を味わいました。信じていた足場を失うことは、それはそれで大変ではあったのですが、WRAPやIPSを通して出会った人たちとの交流から見えてきた世界の魅力は、私にとって何ものにも変えがたい指針と原動力になっています。

時期を同じくして、ティクナットハンが伝える、宗教としてではない仏陀の教えに惹かれはじめました。WRAPやIPSとも通じていると感じています。これらの学びを通して、お互いの痛みや苦しみを生じさせたり、自分の見方で他者を支配しようとするのではなく、お互いの苦しみや痛みが軽減し、喜びや自由が感じられるような関わりを願うようになりました。そして、そのような関わりを求める人たちのコミュニティの広がりを想い描いています。

オフィス道具箱は、組織としての形はなしていませんが、構想もないところから、力を持ち寄り一緒に取り組んできた仲間がいます。WRAPやIPSのこれまでの活動も、有志の想いの交流から生まれ、発展してきました。今後も、オフィス道具箱の活動を導く明確なビジョンを掲げ組織化をはかる、というようなことはないでしょう。その時々の流れに応じ、大きな流れへとつながる何かに貢献できればと考えています。一緒に、何かをしてみたいとお思いの方、ぜひ、お声掛けください。

2013年7月31日

▨ お問い合わせ

各種、お問い合わせは下記のメールアドレスまでご連絡ください。
officedougubako@gmail.com