いい感じの調子に大きな混乱が生じ、自分ひとりでは対応しきれない状況に陥ることがあるかもしれません。そのような事態をクライシス(危機)とよびます。クライシス状況への対応の仕方を、信頼できる人とあらかじめ話し合い、プランを作っておくことで、クライシスにも主体的に取り組むことができます。
クライシスの渦中では、自分が望むことや必要とすることを人に伝えることが難しくなっているかもしれません。事前に、意思決定をしておける事柄に関しては、自分の意思を明確にプランに書いておくことができるでしょう。そのほかの事柄については、誰に、どのように意思決定をゆだねるかを決め、それをプランに示しておきます。クライシスとなりそうな状況の例としては、次のようなことが挙げられます。
- 身体的な不調により、入院などの医学的介入が必要なとき
- 人とのつながり、社会とのつながりが断絶されそうなとき(例:誰とも接触したくなくなる。命を絶ちたい気持ちになる。激しい恐れに襲われる)
- 圧倒されるような出来事が起きているとき(例:結婚。離婚。子どもが生まれる。親しい人との別れ)
クライシスとなる、さまざまな状況が想定されるので、特定のクライシスプランの形を示すことはできませんが、プランを作るとき、以下の事柄を考慮することが役立つでしょう。
- クライシス状況であることを示すサイン
- 連絡してほしい人、連絡してほしくない人
- 医療に関する情報
- 助けが必要な事柄
- 受け入れられる、あるいは試してみたい対応の仕方と、してほしくない対応の仕方
- クライシス状況を脱したことを示すサイン
クライシスに陥るような事態がおきるとは、考えたくないかもしれません。ですが、クライシスは、人が生きていれば、誰にでも起こりうることではないでしょうか。信頼できる人と一緒に時間をかけて、クライシスプランを作り、活用することで、生活の再構築に向かうことがしやすくなるでしょう。