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自分が自分のエキスパート 1 2

これらのことから私が学んだいちばん重要なことは、自分や、自分の人生に関してなにかを決めるときは、最初に自分自身に聞いてみるべきだということです。自分についてなにがわかっていて、どう感じているのかを。もし自分が望むのなら、それから他の人たちの意見を聞けばよいのです。彼らがそれぞれ意見を述べアドバイスしてくれたら、私は注意深く検討してみて、それが自分の心に響くかどうかを考えます――合っていると感じるか、感じないか。合っていると感じたら、提案されたことを実行するか、信じることができます。そう思えなけなければ、提案に従う必要はないのです。

長いあいだ、たくさんのアドバイスを受けたり、あなた自身について人からいろいろなこと言われ続けてきたために、自分の内側にある知識をどうやって引き出したらよいのか、わからなくなっているかも知れません。時間がかかり忍耐もいるけれど、自分に耳を傾け、なにが自分にとっていちばん良くて、相応しいのかを決める力を身につけ、さらに磨いていくことができます。次に挙げるいくつかのことはあなたの助けになるでしょう。やってみるにつれて、自分を知り、自分にはなにが必要かを知る助けになる、他の方法もわかってくるでしょう。

  1.  誰かがあなたに、あなたがやるべきことを提案したり、あなたについてなにかをいったりしたら、それに基づいて行動する前に、それが自分に相応しいと感じられるかどうかを確認すること。合っているか、間違っているか、自分に聞くことができるでしょう。たとえばなにか行動についてだとしたら、紙に選択肢を書き、混ぜこぜにしてから一枚を選んでみてください。その内容についての自分の気持ちを知れば、その行動があなたにとって正しい答えなのかどうかわかるでしょう。
  2.  抱えている問題についてはすべて解っているといえるように自分を教育すること。学ぶときには、学んでいることが、あなたに相応しいことだと感じるかどうかを確かめてください。一流の著者の本に書いてあるとか、ウェブサイトに書いてあったからといって、それが必ずしも正しいことであったり、あなたに相応しいことであるとは限りません。たとえば、精神科の診察を受けた多くの人は誤った情報を与えられています(「絶対に良くなりません」「子育ては無理です」「親密な関係になることは決してないでしょう」「大学なんて無理です」「好みの職業を持つことは不可能です」等々)。
    “学ぶ”ということが、それぞれの問題について、あなた自身で判断をつけていく助けになります。自分は診断にさえ納得できないとか、自分についてどのようなものであるにしろ、誰にも診断名をつける権利はない、と決めることもできるでしょう。あなたは自分の症状について診断よりも、それに伴う感情を優先して考えることを選択するかも知れません。
  3. 誰であれ信用できる人と、医者やカウンセラーのような“専門家”でもいいので、一緒に深く話し合ってみること。それから自分が受けた意見についてどう感じたか、そしてどう行動していくのかを自分で決めること。
  4. なにごとについても大きな決断をする前には、ある決められた時間、たとえば3日間(より大きな決断にはもっと長く)待つようにすること。考え直してみると、気が変わることがよくあります。母はノートにこう書いていたことがあります。「最近、気が変わったことがなかったら、もともとなにも考えていなかったのかも」
  5. 雑記をつけること。書いてみるということは、ある事柄について自分が本当にどう感じているのか理解する助けになります。字とか文法は気にしないこと。考えたり感じたりしたことをなんでも書くこと。正しいことでなくていいのです。全くの空想でもいい。意見でも気持ちでも感情表現でもアイデアでも計画でも、自分が書きたいことでいいのです。見せたくなければ誰にも見せる必要はありません。他の人はあなたが書いたことのプライバシーを尊重すべきです。読みたくなったら読み直してください。
  6. ピアカウンセリングをすること。あなたが信用できる友人にピアカウンセリングを頼むこと。どのくらい時間を取れるかを決めてください(普通は1時間ですが、もっと長くても短くても)。時間を半分に区切ってどちらかがしゃべったり、笑ったり、泣いたり、怒鳴り散らしたり――あなたがやりたいようになんでもやって、もうひとりは邪魔せずにそばでじっと聴いています。

 あなたが、自身のなかにある知識にアクセスし、自分自身について知っていることや、自分がしたいことに基づいて行動しているうちに、生活の質が良くなり、人生がいままで思いもしなかったような豊かなものになっていることに気づくことでしょう。
 私がそうだったように。

(著:メアリー エレン・コープランド、訳:高村なをみ)

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